ネットワークがビジネス成長を左右する理由とは?
ネットワークが事業成長の 鍵となる理由
将来を見据えたIT基盤構築の 重要性
デジタル・トランスフォーメーションが急がれる今、多くの企業・組織が新しいテクノロジー、アプリケーション、リソースへの投資を拡大しています。クラウドに関する最新の調査では、テクノロジーの進化がクラウド移行を推進する最も大きな原動力となっています。
Colt発行の『2021年クラウド導入状況レポート:進化するクラウド戦略』内調査では、多くのIT意思決定者は今 後5~10年間、ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC)、ビッグデータアナリティクス、AIのクラウド移行に優先的に取り組もうとしている、と回答しています。しかし、こうした最新のテクノロジーやサービスを導入することで、既存のIT環境を圧迫されたり、十分なパフォーマンスを発揮するための容量を確保できていないという課題に直面して います。
変化を支える IT基盤の重要性
事業変革において、ITやネットワークの責任者にはデジタル・トランスフォーメーション実現のため、以下3つの方法でネットワーク基盤を構築することが求められます。
- 運用回復力(オペレーショナル・レジリエンス)の強化
- CX(カスタマーエクスペリエンス)とEX(エンプロイーエクスペリエンス)の向上
- オンデマンドサービスを利用した効率化
こうした目標を達成するためには、必要な時に新しいサービスをオンデマンドで提供できるようにする柔軟なネットワーク基盤が必要です。しかし、多くの場合、UX(ユーザーエクスペリエンス)を強化するために導入されたテクノロジーによって、通常の業務に必要なITインフラまで圧迫され、結果的にビジネス全体のパフォーマンスが低下するという問題が発生しています。
将来的なトラフィック拡張やアプリケーションの多様化に備えた十分なネットワーク基盤を構築せずに、既存環境に新しいテクノロジーを追加するだけでは、「頭でっかち」な状態となってしまう危険性があります。
ネットワークが構築されてから、新しいアプリケーションをいくつ導入しましたか?
現在のネットワークは、すべてのアプリケー ションとサービスに必要な最大のピーク帯域に対応できますか?
社内業務のパフォーマンスを維持しながら、CX改善と事業拡大を支えるプラットフォームを運用するためには、IT・ ネットワークの担当者は何をする必要があるのでしょうか。
オペレーショナル・レジリエンスの 強化
CIO(情報化統括責任者)は、新しいサービスの提供、ハイブリッド型勤務の実現、将来的なビジネス拡大を見据えた俊敏性とネットワークレジリエンスの向上に加え、サイバーセキュリティ対策とリスクレベル監視の責任を担っています。
ネットワークのレジリエンスを高め、エコシステム全体の統制を強化するために、ITインフラの簡素化に取り組み、エッジコンピューティング、IoT、その他のクラウド型テクノロジーへの投資により、変化する市場を先取りすることが重要です。
しかし、こうした最新テクノロジー導入することで、ネットワークへの負荷が増大します。また、エンドポイントが増加し、IT環境が複雑化する可能性もあります。AIツールや機械学習ツールを導入する企業では、処理能力の向上が必須であり、ネットワークのパフォーマンス改善は避けられない課題です。
新しいアプリケーションやテクノロジーの導入を想定して構築されていないネットワークへの負荷は日々増大しています。応急処置で済ませたり、問題が起こらないことを前提とするのではなく、将来に備え、エコシステム内のすべてのロケーションにおいて柔軟かつ安全なネットワーク基盤の構築に投資するチャンスです。
また、これらのアプリケーションやテクノロジーは、ますます複雑化するパートナーエコシステムに大きく依存しています。しかし、エコシステムに接続するだけでは不十分であり、ネットワークを入念に管理し続ける必要があります。
ネットワーク基盤が最近の目的にかなっていない場合、機能停止のリスクやUXの劣化をもたらすリスクが高まります。
新規サービス提供のためにネットワークを刷新するには、ネットワークキャリアとの適切なパートナーシップを確立する必要があります。必要な帯域と信頼性だけでなく、パートナーエコシステム内の関係に基づいたネットワークを追求することが真のオペレーショナル・レジリエンスの実現につながります。
CXとEXの向上
BtoBでもBtoCでも、消費者は企業との関わりにおいてプライバシーの確保とパーソナライズされた有用な情報の提供を期待しています。Gartner社が「すべてを求める顧客」と呼ぶ消費者の要求に応えるには、大量のトラフィックを使用する新しいテクノロジーをすべてのタッチポイントに導入し、ネットワークによってそのすべてのテクノロジーを提供し、サポートしなければなりません。
ハイブリッド型勤務の普及に伴い、EXも変化しています。 安全で信頼できるリモートワーク用ネットワークの需要が高まっているため、CIOはすべてのユーザーの全体的なエクスペリエンスを総合的に検討しています。
CXとEXは相乗効果を生み出すことができます。リモートコラボレーションを促進するため、多くの企業がクラウド、データストレージ、IoTへの投資に本腰を入れ始めています。コラボレーションツールやカスタマーサポートツールをクラウド上で運用するということは、場所にとらわれずに利用できるプラットフォームで複数のチャネルを容易に管理できます。
ミッションクリティカルなサービスをクラウドに移行する と、ネットワーク基盤への負荷が増大します。アプリケーションへのアクセスでビジネスが成り立っている場合、いかなるダウンタイムもサービス品質の低下も許されません。
ネットワークがより多くのインタラクションに対応するほ ど、生成されるデータ量に応じてネットワークのトラフィックも大幅に増大します。企業全体で超高速のエクスペリエンスを実現すると、ネットワークへの負荷がさらに増大する ため、トラフィックの流れに細心の注意を払う必要があります。
自社のデータをエッジやクラウド、ユーザーとのタッチポイントのどこで管理していますか? ユーザーや自社が依存しているアプリケーションとサービスを十分に支えられるネットワーク基盤を確保していますか?
インテリジェントなネットワーク管理を行うことで、エクスペリエンスの目標を達成することができます。IT担当者は先を見越して帯域の急激な増減リスクを把握できるので、SD WANを利用してトラフィックの優先度に応じて高品質な専用線と低価格なインターネットを使い分け、複数の施設のトラフィックをコントロールし、お客様や従業員に対して場所にとらわれないCX・EXを維持することができます。
オンデマンドサービスを 利用した効率化
アプリケーションやサービスのパフォーマンスの向上、監視やセキュリティ強化のため、ネットワークへの負荷が増大していることは他の重大なプロジェクトの陰に隠れて忘れがちです。
優れた柔軟性が特長のクラウドは、こうした課題の解決策となる場合もありますが、従来型のIT環境に必ずしも相性がいいとは限りません。ネットワークリソースを厳密に制御し、より明確に可視化できる安全かつ大容量、柔軟なバックボーンを土台とした強固なネットワーク戦略があって初めて機能するともいえます。新しいアプリケーションやテクノロジーをレガシーな既存環境に無理に適合させるのではなく、エンド・ツー・エンドでIT環境を見直すべきです。例えば、SD WANを利用すればネットワークの制御と可視性を高めることができますが、効率性とイノベーションを両立させるためにはネットワーク全体の柔軟性を向上する必要があります。
効率性を最大限に高めるために、企業はネットワーク全体の機敏性を追求することで費用を最小限に抑えながらデジタル・トランスフォー メーションを実現することができます。
多くのIT・ネットワーク担当者は、ニューノーマルによってもたらされた機会を最大限に活用するために、ビジネスモデルを見直しています。オンデマンド型サービスは無駄なコストやリソースを排除し、俊敏かつ柔軟性の高いIT環境の構築に大きく貢献しています。
成長のためのIT基盤構築
運用リスクを排除し、アプリケーション利用に必要なパフォーマンスと信頼性を提供できるネットワークを確保できているか確認してみましょう。
- 既存ネットワーク構築後、新しいアプリケーションをいくつ導入・開発したか?
- すべてのアプリケーションの運用ピーク時に必要な帯域幅を確保しているか?
- エコシステム内のロケーションやネットワークパートナーは適切に管理されているか?
- 需要に応じて迅速に帯域を拡張できる柔軟なネットワークを導入しているか?
- どこにいても安全かつスムーズに働けるプラットフォームがあるか?
- 部署や拠点を問わず、あらゆるトラフィックを制御、管理できているか ?
安定性、柔軟性、安全性を兼ね備えたネットワーク基盤をベースとした事業構築により、ビジネスはさらなる成長を遂げることができます。ネットワーク基盤には、機敏性だけでなくデジタルエコシステム内のネットワークパートナーとの連携が必須です。