株式会社テレビ朝日

Colt On Demandの導入により、ST2110をベースとしたMoIP技術を活用したシンガポールでのスポーツ大会の中継において、多数の映像を遅延なくスムーズに伝送し、高いコストパフォーマンスを同時に実現

会社概要

株式会社テレビ朝日は、1957年の開局以来、迅速な報道や中継を通じて放送事業の発展に貢献してきた民放キー局だ。「新しい時代のテレビ局」を目指してドラマやバラエティ番組、アニメ、映画からイベント興行といった多岐にわたる魅力的なコンテンツを国内外で提供している。近年では、Media over IP(以下MoIP)技術を活用したリモートプロダクションの推進に注力し、環境負荷低減と効率化を両立する最先端の技術的取り組みを進めている。

MoIP技術を活用し、シンガポール現地で撮影した多回線の映像・音声を日本へリアルタイムで伝送し、映像切り替えなどの番組制作を日本で行う「リモートプロダクション」を実現しました。MoIPが要求する厳しい条件を満たすColtの低遅延・高品質なネットワークなくしては達成できなかったため、非常に満足しています。技術局 技術運用センター、高田 格 氏

課題

同社は、シンガポールで開催される水泳国際大会の中継・配信を行うため、ネットワークを含む環境の見直しを実施していた。
スイッチャーや音声ミキサーなどの機材輸送にかかる手間や費用、さらに現地での回線調達といった作業を都度行うことは、煩雑かつ大きな負担となっていた。「現地へのスタッフ派遣費用なども含めると、予算は膨らむ一方でした。増大し続けるコストを削減する方法を早急に見つける必要がありました」と高田氏は振り返る。
そこで、同社は従来のユニキャストIP中心の中継方法から脱却し、マルチキャスト方式IP伝送の標準規格であるST2110技術をベースとしたMoIPの活用に切り替えることを検討していた。マルチキャスト方式のMoIPでは、映像・音声データの複数機器への伝送がネットワーク上で帯域効率よく行うことができるので、高いコスト効果や効率化が期待できる。さらに、ネットワーク帯域の許す限り複数の映像・音声を並行して伝送することが可能なので、撮影した映像のスイッチングや音声のミキシングの作業を現地ではなく日本のテレビ朝日本社で行う「リモートプロダクション」が実施できるため、制作スタッフの負担も軽減可能だ。しかし、MoIPを用いたリモートプロダクション実現のためには、ネットワークの帯域や品質に関する厳しい条件があるため、高品質かつ低遅延のネットワークを提供できる事業者の確保が大きな課題となっていた。

Coltをお選びいただいた理由

MoIP運用においては、低遅延であること、低ジッタ、つまりIPパケットの伝送遅延の値にブレが少なく一定値であること、そして基本的にパケットロスが発生しないこと、といった厳しい条件を満たすネットワークが必要だった。Coltのネットワークは帯域保証型の専用線であり、これらの条件を満たす高品質な回線だった。
実際の現場でも映像・音声の遅延がほぼ感じられないほどに小さい点が高く評価された。「番組の演出で大会会場と日本のスタジオとの間でリアルタイムの掛け合いをする場面もありましたが、生放送の出演者からも、まるでお互い日本にいるかのようにディレイ(遅延)をまったく感じない環境だった、と好評でした」と高田氏は語る。さらに、物理的に距離があるシンガポールと日本とを接続する長距離伝送において、Coltは国際回線の提供実績が豊富なことも決め手となった、と高田氏は付け加えた。

また、スポーツ大会などは、基本的に1~2か月の短期間での集中利用が発生するケースが多い。ネットワークは基本的に年単位の契約が必須となるため、利用しない期間も料金が発生してしまう点が悩みだった。そこで同社は、契約期間の縛りなく柔軟に利用ができるColt On Demandを採用した。ポータルサイトから帯域を増減速することで、必要な時に必要な時間・帯域でネットワークを利用できるため、他社ネットワークサービスと比較してもTCOの削減が可能と判断した。さらに、コスト面だけでなく、ネットワークをセルフオーダー式で利用できるため、任意のタイミングで設定を変更できる高い柔軟性も魅力だ。「映像や音声の伝送を現地キャリアに都度依頼する必要がなくなり、MoIPの強みを存分に活かせたと思います」と近藤氏は話す。

初のMoIPを活用した中継で手探りの部分もありましたが、大きなトラブルもなく大成功に終わることができました。高い品質とコスト削減を同時に実現できたColt On Demandを選んで正解だったと思っています。技術局 設備センター、近藤 佑輔 氏

「ネットワークの品質はもちろんですが、サポート面でもColtを選んで良かったと思います。ネットワークの設営から撤去まで、Coltのシンガポールオフィスのスタッフが柔軟に対応してくれたので、安心して任せることができました。また、事前に日本のColtのデータセンターでマルチキャスト伝送の検証を行うことができたのも助かりました」と高く評価いただいた。

今後の展望

同社は、今後もMoIP技術を積極的に活用し、さらに先進的かつ効率的な中継・配信環境の構築に向けて精力的に取り組み続ける方針だ。現地へのスタッフ派遣の削減といった制作側の負担軽減や人的リソースの有効活用、さらにはサステナビリティの観点でもメリットがあるため、放送事業社全体でリモートプロダクションが推進されていくだろう、と高田氏は見込んでいる。「今後も世界中で国際大会などを中継・配信する機会があると思います。その際は、今回の成功をもとにMoIP技術を最大限活用できるネットワーク構成を採用し、高品質で効率的な映像伝送を実現していきたいです」と語った。

「経験豊富かつ専門性のあるスタッフが親身にサポートしてくれたことで、さらにColtへの信頼感が高まりました。今後もColtには番組制作に最適なネットワークソリューションを提案・提供してもらえることを期待しています」と両氏は締め括った。

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会社名

株式会社テレビ朝日

業種

放送法による基幹放送事業
一般放送事業

Coltをお選びいただいた理由

• MoIPを実現する低ジッタ
• 低遅延の高品質ネットワーク
• 高いコストパフォーマンス

Colt提供サービス

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