閉域網とは? 閉域網とセキュリティを徹底解説!安全なネットワーク環境の実現

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近年、サイバー攻撃の脅威はますます高まっています。企業や組織にとって、重要な情報やデータを守るためには、強固なセキュリティ対策が不可欠です。

そこで注目されているのが、閉域網です。閉域網とは、インターネットから分離されたネットワークのことで、高いセキュリティを実現することができます。本記事では、閉域網の基本から、セキュリティリスクに対する効果までを解説します。安全なネットワーク環境を実現するために、ぜひ参考にしてください。

1. 閉域網の基本を理解する

セキュリティを高めるために、重要な役割を果たす閉域網の基本について解説します。
閉域網の定義や種類、メリットなどを理解することで、閉域網の導入を検討する際に役立てることができるでしょう。

1-1. 閉域網とは

閉域網とは、物理的にも論理的にもインターネットに接続されていない、外部から直接アクセスすることが不可能な通信ネットワークのことです。インターネットは、誰でもアクセスできるオープンなネットワークであるため、不正アクセスやマルウェアの侵入などのリスクがあります。

一方、閉域網は、通信相手が限定されているため、これらのリスクを大幅に低減することができます。

一般的なネットワークと閉域ネットワーク

1-2. 閉域網の種類

閉域網は一般的に以下の5つの種類に分類されます。

専用線

専用線とは、閉域網のために専用に敷設された回線のことです。専用線は、インターネット回線よりも高速で安定した通信を実現することができます。また、セキュリティ面でも、インターネット回線に比べて高い信頼性があります。

広域イーサネット

広域イーサネットは、通常、LAN (Local Area Network)に適用される通信技術をWAN(Wide Area Network)に拡張して使用するサービスです。遠隔拠点をLAN接続するもので、新たな拠点やシステムを導入する際にも、簡単に拡張することが可能です。

また、広域イーサネットは高速で信頼性があり、大容量のデータを効率的に転送できるため、高性能な通信を可能にします。

IP-VPN

IP-VPNとは、通信事業者が提供する閉域網を利用するVPNです。通信事業者の回線を利用することで、異なる拠点や地域間で安全かつ効率的なデータ通信を可能にします。

IP-VPNは、インターネットではなく専用の回線を使用するため、通信速度が安定しており、高品質な通信を実現できます。

エントリーVPN

エントリーVPNは、主に小規模な拠点や支社などとの接続に適したVPNの形態です。通信事業者が提供する光ブロードバンド回線などを利用して、限定されたユーザーが接続する通信方法です。

導入・運用コストが安価で、手軽に閉域網を構築することができます。

インターネットVPN

インターネットVPNとは、インターネット回線を介して、あたかも専用線のように安全に通信を行うことができる技術です。外部の従業員に向けたリモートアクセスに適用することで、社内ネットワークに安全に接続することを可能とします。

インターネットVPNは、セキュリティを確保しつつコストを抑えてネットワークを構築したい場合に利用できる有効な技術です。

2. 閉域網のメリット

閉域網には、以下のメリットがあります。

2-1. 機密情報の漏えいを防止できる

閉域網は、インターネットから分離されているため、外部からの不正アクセスやマルウェアの侵入などのリスクを大幅に低減することができます。これにより、機密情報の漏えいを防止することができます。

2-2. 通信の安定性が向上する

専用線や広域イーサネットを利用した閉域網は、インターネット回線よりも高速で安定した通信を実現することができます。これにより、業務の効率化や、通信障害のリスク低減につながります。

2-3. 運用の負荷が軽減される

インターネットは、誰でもアクセスできるオープンなネットワークであるため、ファイアウォールやIDS/IPSなどのセキュリティ対策を十分に実施する必要があります。

一方、閉域網は、インターネットから分離されたネットワークのため、外部からの攻撃やマルウェアの侵入などのリスクが大幅に低減されます。

つまり、閉域網を利用する場合は、インターネットと同等のセキュリティ対策を実施する必要はなく、運用管理の負荷は低く抑えることができます。

3. 閉域網接続の専用線とVPNの違い

閉域網を実現する技術として、専用線とVPNの2種類があります。両者の違いを理解することで、自社に最適な閉域網を構築することができるでしょう。

3-1. 閉域網接続の専用線とVPNはどこが違う

専用線とVPNの最も大きな違いは、通信回線の形態です。

専用線は、物理的な通信回線を使用して異なる拠点や地域間でデータを転送するため、外部の影響を受けずに高いセキュリティのもとで高速なデータ通信を実現することができます。
たとえば、金融機関では超低遅延の専用線で取引所間を接続することで、高速の金融取引を可能にしています。

一方、VPNは、データを送受信する2点間で、仮想的なトンネルを構築することで、あたかも専用線で接続されているかのように、安全に通信を行う技術です。
やり取りするデータは暗号化を使用して通信を保護し、リモートアクセスや広域ネットワーク接続を実現します。

3-2. 閉域網各種接続のメリット、デメリットを確認

専用線とVPNそれぞれのメリットとデメリットを説明します。

専用線のメリット

専用線は物理的な通信回線を専有して使用するため、インターネットのように外部のユーザーの影響を受けず、通信速度を一定に保つことができます。

また、物理的な通信回線を使用するため、セキュリティが高く、データの盗聴や改ざんといった外部からの不正アクセスは極めて困難で、厳密な安全性が確保されているといえるでしょう。

専用線のデメリット

専用線は物理的な回線を敷設する必要があるため、インターネット回線に比べるとコストが高く、導入までに納期を要します。
また、拠点の追加や移転の際に回線の再敷設や変更が必要になるため、手間と時間がかかる可能性があります。

VPNのメリット

VPNは専用線に比べて通信コストを抑えることができます。また、リモートワークのため遠隔地からセキュアにアクセスすることを可能にします。
導入も比較的容易で、拡張性や柔軟性が高いといえるでしょう。

VPNのデメリット

VPN接続はセキュリティリスクを伴うことがあります。とくにインターネットを使う場合は、適切なセキュリティ対策を必要とし、データの暗号化は不可欠です。

また、VPNでは、回線やインターネットの性能に依存するため、通信速度の低下が発生することもあります。

メリットとデメリットを以下にまとめました。閉域網の導入の際は、ビジネスの要件、予算、セキュリティニーズなどを考慮し、専用線とVPNを比較しながら最適なネットワーク形態を検討しましょう。

専用線 VPN
メリット ・他の回線の影響を受けず通信速度は一定を保つことができる
・物理回線を使用するのでセキュリティが高い
・専用線に比べコストを抑えることができる
・導入が容易で拡張性、柔軟性が高い
デメリット ・専用線の敷設や維持にコストがかかる
・設置や拠点追加時に時間がかかる
・通信速度の低下が発生することがある
・セキュリティリスクを伴う

こちらで、詳しく解説しています。

VPNと専用線の違いを分かりやすく解説

4. セキュリティリスクに対する閉域網の効果

企業にとってのセキュリティリスクを確認したうえで、閉域網がどのように効果を発揮するのかについて解説します。

ここでは、以下3点のセキュリティリスクを理解しましょう。

マルウェアの侵入

外部からの攻撃

内部の脅威

4-1. マルウェアの侵入

マルウェアとは、コンピューターウイルスやワームなどの悪意のあるソフトウェアのことです。マルウェアが企業内に侵入すると、コンピューターやシステムに被害を与えたり、情報を盗んだりする可能性があります。

また、ランサムウェアもマルウェアの一種で、コンピュータやネットワークに侵入してデータを暗号化し、身代金の支払いを要求する攻撃手法です。

ランサムウェアに感染すると、高額な身代金を請求されたり、業務停止のリスクがあるため、膨大な被害となります。

4-2. 外部からの攻撃

「外部からの攻撃」とは、企業やシステムに対して外部の攻撃者が行う、さまざまな悪意ある行動を指します。

たとえば、インターネットを経由して企業のネットワークに不正に侵入したり、DDoS攻撃などで外部の端末から一斉に攻撃を行ったりすることです。これによりデータの盗難やシステムの改ざん、システムダウンなど、さまざまな被害がもたらされる可能性があります。

4-3. 内部の脅威

内部の脅威とは、社内のシステム管理者の不正行為や従業員による情報漏えいのことです。

システム管理者は、企業内のシステムやデータに対して高いアクセス権限を持ちますが、悪意があれば、機密情報の持ち出しや書き換えなど簡単に行うことができるでしょう。

また、従業員による悪意のある行為や操作ミスにより、重要情報の持ち出しやメールの誤送信などが考えられます。

4-4. 閉域網の効果とは

閉域網を導入することで、マルウェアの侵入リスクや外部からの攻撃のリスクを抑えることができます。

もちろん、USBメモリやリモートアクセス端末からの感染や侵入の可能性はあるため、リスクをゼロにはできませんが、マルウェア感染や外部からの攻撃を極小化することは可能です。

これは、企業のセキュリティ対策として非常に有効な手段となります。
ただし、内部の脅威、特に悪意を持った管理者や従業員の行為は閉域網の導入だけでは防ぎきれないため、社員教育や監視システムの導入など、別な対策が必要になるでしょう。

5. まとめ

専用線とVPNにはそれぞれメリットとデメリットがあるため、ビジネスニーズに合わせて検討する必要があります。
閉域網を活用することで、機密情報の漏えい防止、通信の安定性向上、運用負荷を軽減することができます。

また、閉域網はマルウェアの侵入や外部からの攻撃といった外部からのセキュリティリスクを低減できますが、内部の脅威に対しては別の対策が必要です。

閉域網は、企業のセキュリティ対策として重要な役割を果たす技術です。自社のセキュリティニーズや予算などを考慮して、適切に導入・運用することで、企業の重要情報やデータを守ることができるでしょう。

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