ネットワークの輻輳とは?原因や企業がとるべき対応方法は?
ネットワークの輻輳(ふくそう)が発生すると、クラウド上で運用しているTeamsなどのコラボレーションツールや電話へのアクセスが不能になったり、メールやチャットなどのコミュニケーションが極端に遅くなり、ビジネスに影響を及ぼす可能性があります。さらに、通販サイトやユーザーポータルのような顧客向けのプラットフォームを運用している場合、サービスを満足に提供できなくなればユーザーの満足度が下がるため、未然に回避することが大切です。
そのため、インターネットを活用して事業を運用・展開する企業は、輻輳への対策を検討、実施しなくてはいけません。本記事では、ネットワークの輻輳について解説しつつ、原因や企業がとるべき対応方法もご紹介します。
目次
1. ネットワークの輻輳とは?
ネットワーク輻輳とは、インターネット上にアクセスが集中することによって、通信速度の低下や通信の断絶などが発生することです。つまりネットワークの輻輳とは、トラフィック集中によりインターネットの回線が混雑する状態だといえるでしょう。
2. ネットワークの輻輳が起こる原因は?
ネットワークの輻輳が発生する原因は、通常よりも多くのトラフィックが発生していることと、ネットワーク帯域が不十分なことの2つです。それぞれの内容について解説します。
2-1. 通常よりも多くの通信が発生
ネットワークの輻輳は、通常よりも多くの通信があると発生しやすくなります。近年は、クラウド型サービスやテレワークの普及により、インターネットの利用率が飛躍的に増えました。そのため、多くのユーザーが利用する夕方以降などは、ネットワークの輻輳が発生しやすい時間といえるでしょう。
例えば、OSやソフトウェアのアップデートで全従業員のPCが一斉にアップデートされた場合などは通常よりも多くの通信が発生するため、社内でのネットワークの容量が足りず、挙動が悪くなったりネットワークが切断されてしまうといった一時的なネットワークの輻輳が発生しやすくなります。
2-2. ネットワーク帯域の幅が不十分
ネットワーク帯域が不十分な状態では、通信時の速度の低下や通信断絶などが発生しやすくなります。特に公衆インターネットのように多くのユーザーが利用するネットワークの場合、時間帯や多くの人が集中的にインターネットを利用するイベント等などに際して、突発的にユーザー数が増えた際にインターネットがひっ迫し、まったく使い物にならない、ということも考えられます。
ネットワークの輻輳を回避するためには、パケット処理に必要な帯域幅を想定し、十分なキャパシティを確保することが重要です。また、帯域保証型のインターネットを導入することも、一つの方法です。
「帯域保証型ネットワークサービス」とは?
3. ネットワークの輻輳がもたらす問題は?
ネットワークの帯域幅が不十分な場合、処理待ちのパケットがバッファに蓄積されます。この量が増えると遅延や断絶などの障害や、ネットワーク機器の処理速度が低下するなどの問題が発生します。
そのため、ネットワークの輻輳が発生している際には、パケットロスと呼ばれる状態になることが一般的です。パケットロスとは、パケット量がバッファサイズを超過した状態のことです。パケットの大部分が伝送中に破損または消失し、通信先に正常に届かないことを指します。また、パケットロスは特に長距離で通信を行う場合により多く発生します。
4. ネットワークの輻輳について企業がとるべき対応は?
ネットワークの輻輳を未然に防ぐために、企業がとるべき対応を3つご紹介します。
4-1. 輻輳しにくいIPoE方式を利用する
IPoE方式のインターネットは帯域幅が広いため、ネットワークの輻輳は起こりにくい点が特徴です。もし現在使用中のインターネットがPPPoE方式の場合は、IPoE方式へ切り替えることによって、ネットワークの輻輳を防止しやすくなるでしょう。
IPoE方式を導入すれば、PPPoE方式に比べ大量の通信に耐えられるようになり、ネットワークも安定します。
4-2. 安定性の高い回線を利用する
さらに確実にインターネットのパフォーマンスを担保するためには、安定性の高い回線を利用することが有効です。
社内ネットワークを利用する従業員数が数百、数千人以上の規模で常時大量のアクセスが想定される場合や、やりとりするデータが高画質の画像や動画等といった容量が大きい場合など、ネットワーク回線を高負荷で常に利用する場合は帯域保証型ネットワークがおすすめです。
さらに、インターネット経由でクラウドに接続する場合や、ミッションクリティカルな情報を伝送する場合など、速度的にもセキュリティ的にも安定した回線がビジネスを行う上で欠かせない場合は、高いコストを払ってでも帯域保証型の安定したインターネット回線を選択しておくと安心です。
実際の通信速度や安定性を確認したうえで、自社のビジネスに合っていて、かつ十分なパフォーマンスが期待できるインターネット回線を選びましょう。
4-3. ネットワークの利用状況を把握する
実際の業務において、ネットワークにどの程度の帯域が必要なのかを確認することも大切です。
例えば、メールやSNSの利用などであれば、1Mbpsもあれば快適に利用できるでしょう。Webサイトをスムーズに閲覧したい場合は、1Mbps〜10Mbps程度は必要です。動画の場合は画質によって異なりますが、HDであれば5Mbps程度、4Kの場合は20Mbps以上を担保しなくてはいけません。
また、近年はSD WANやインターネットの優先制御など、利用目的に併せてトラフィックを割り振ったり、コントロールすることでネットワーク利用環境を最適化する方法もあります。こうしたテクノロジーを活用するためにも、自社の業務内容や提供するサービス内容に必要なネットワークの速度を把握しておくことで、最適なネットワークを選びやすくなります。
5. 輻輳しにくいネットワークの重要性・メリット
輻輳しにくいネットワークを導入するメリットは、業務や事業の安定的な実施と、顧客満足度の向上です。
新型コロナウイルスの影響によるテレワークの普及によって、大人数が参加するWeb会議や、テレビ会議を行うことは一般化しました。輻輳しないネットワーク環境下であれば、音声や映像が途切れることなく、スムーズに会議や商談を進められるため、ビジネスチャンスを逃すことがなくなるでしょう。また、各種SaaSサービスを事業で利用するケースも増えているので、安定したネットワークを確保することがすべての企業において重点課題となっています。
また、動画や音楽をはじめとしたサブスクリプションサービスやオンラインゲーム、アプリケーションなどのリッチコンテンツの配信など、ユーザーにストレスなく楽しんでもらえるプラットフォームを提供するためにも、バックボーンとして輻輳しにくいネットワークを導入することが不可欠です。ネットワークの輻輳が発生してユーザーのストレスが高まると、サービス離れが助長され、収益悪化に繋がる可能性があります。
6. まとめ
ネットワーク輻輳とは、通信回線へのアクセスが集中することによって、通信速度の低下や通信の断絶などが発生することです。
発生する原因は、通常よりも多くの通信が発生していることと、ネットワーク帯域が不十分なことの大きく2つあります。
ネットワークの輻輳は、未然に防ぐことが大事であり、企業がとるべき対応として、安定性の高い回線を利用すること、輻輳しにくいIPoE方式を利用すること、ネットワークの利用状況を把握することの大きく3つあります。
ネットワークのパフォーマンスは、業務や事業の安定的な実施と、顧客満足度の向上に直結しています。
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