「ベストエフォート型」と「帯域保証型」ネットワークの違いは?

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「ベストエフォート型」と「帯域保証型」はどちらも閉域網ネットワークの型ですが、似ているようで全く違います。ベストエフォート型は最大速度が公表されますが、実際の通信スピードは保証されないネットワークで、帯域保証型は通信スピードが約束されたネットワークです。

今回はネットワークについて詳しい方だけでなく、あまり知識のない方にも分かりやすく「ベストエフォート型」と「帯域保証型」のネットワークについて解説します。記事を読み終えた後、両者の違いをご理解いただけると思いますので、ぜひ最後までお読みください。

1.「ベストエフォート型」と「帯域保証型」ネットワークの違い

まずはベストエフォート型と帯域保証型のそれぞれの特長を紹介していきましょう。
先に結論を言ってしまうと、両者は「通信速度」「パフォーマンス」「コスト」の3点において大きな違いがあります。具体的には以下の通りです。

「ベストエフォート型」と「帯域保証型」ネットワーク 比較表

ベストエフォート型ネットワーク 帯域保証型ネットワーク
通信速度 最大値に達する可能性は低い 最大値を維持
パフォーマンス 環境により変化するため不安定 常に安定
コスト 安価 高価

両者の違いについて、補足知識を交えながらさらに詳しく紹介していきましょう。

1-1. ベストエフォート型ネットワークとは?

「ベストエフォート型」は、最大値は公表するものの、実際の通信速度は保証されていないネットワークのことです。ユーザーに公表される速度数値は「理論上の最大値としての速度」であり、実際の通信速度とは異なります。例えば、通信帯域を10Gbpsで契約したとしても、多くのケースで速度は保証されず、10Gbpsのスピードが出る可能性は低いといえます。
あくまで「10Gbpsまでのスピードで通信サービスを提供する」という内容であり、最大速度が出るケースは少ないと想定すべきです。なお、ベストエフォート型の通信速度は、ネットワーク回線の混み具合にかなり左右されるため、速度を一定に保てないといっても過言ではありません。

一方で、ベストエフォート型は比較的リーズナブルで導入しやすいという特徴があります。

1-2. 帯域保証型ネットワークとは?

「帯域保証型」は、通信スピードが約束されたネットワークです。例えば契約時に10Gbpsの契約をすれば、「いかなる状況下でも10Gbpsの速度を保証する」という内容になっています。必要なコストは高額ですが、常時アクセスが行われる社内システムの構築などに最適です。なお、欧米では「Guarantee(=保証)」と呼ばれており、日本でも「ギャランティ型」と称されるケースもあります。

1-3. 【補足知識】「バースト型」「帯域確保型」も存在する

これまで紹介してきたネットワーク以外にも様々なタイプのネットワークが存在します。実際にネットワークを選ぶときは「帯域保証型」もしくは「ベストエフォート型」になることが多いため、あくまでも参考知識として紹介します。

1-3-1. 「バースト型」とは?

「ベストエフォート型」と「帯域保証型」以外に、「バースト型」という型もあります。バースト型ネットワークは利用できる帯域のうち、一部を固定化(=帯域確保)することで最低限の通信品質が担保されます。確保帯域を超えたトラフィックが発生した場合は、ベストエフォート型に切り替わり帯域不足を軽減する仕組みになっています。このように「ベストエフォート型」と「帯域保証型」の特徴を併せ持っているのが、バースト型ネットワークです。

なお、コスト面でベストエフォート型はリーズナブル、帯域保証型は割高という違いがありますが、バースト型はその中間です。そのため、ある程度の通信品質はキープしつつ、安価に抑えたい方に都合がよい回線になっています。帯域保証型ほどのパフォーマンスは不要でも、業務上は頻繁にインターネットを利用するため、ベストエフォート型のストレスは回避したい、といった場合に適しているといえます。

1-3-2. 「帯域確保型」とは?

例えば、100Mbpsの「帯域確保型」は”なるべく100Mbpsに近い速度のサービスを提供する”サービスです。トラフィック逼迫により、100Mbpsのパフォーマンスが出なくなったとしても、キャリア側の設備増強により、100Mbps の速度を出すのが「帯域確保型ネットワーク」です。コストはベストエフォート型より高いですが、帯域保証型にくらべると安価になります。

2. ベストエフォート型と帯域保証型、どちらを選べばいい?

ここまではベストエフォート型と帯域保証型との違いについて紹介しました。ここからは、ベストエフォート型と帯域保証型のどちらを選べば良いのかを解説していきます。通信速度、安定性、コスト、通信断によるリスク許容度を踏まえた上で、どちらの型が自分のニーズに合っているのか選択することが重要です。以下、詳しく説明します。

2-1. ベストエフォート型ネットワークが合っているケース

社内でネットワーク回線を使用する人が少ないなど、やりとりするデータの量がそこまで多くない場合は、ベストエフォート型が合っています。また、回線速度が遅れても業務に大きな支障がない場合も、コストを考慮してベストエフォート型を選択してもよいでしょう。

日本では大手の通信事業者が巨額のランニングコストを投じて、光ファイバーによる高品質な通信網を実現しています。ケーブルの地中化や電力の安定供給等のおかげで、ベストエフォート型でも大規模トラブルや停電による長期間に及ぶ通信断はほとんどありません。通信速度を重視しない業務やウェブアプリケーションの利用であれば、ベストエフォート型でも十分なパフォーマンスと言えるでしょう。

2-2. ベストエフォート型ネットワークが合っていないケース

ベストエフォート型は、障害発生時に復旧までの時間などの保証もないため、一定以上の安定した速度を必要とする用途、例えば音声や映像データをリアルタイムで配信する企業や、ネットワークが一瞬でも切れるリスクが許容できない金融機関はベストエフォート型が不向きといえます。

3-1. 帯域保証型ネットワークが合っているケース

社内ネットワークを利用する従業員数が数百人以上の規模で、常時大量のアクセスが想定される場合や、画像や動画等やりとりするデータの量が大きい場合など、ネットワーク回線を高負荷で常に利用する場合は帯域保証型ネットワークがおすすめです。

また、テレワークの普及に伴い、今まで以上に外部からのネットワークの安定性が求められているため、企業における帯域保証型サービスのニーズは高まっています。

速度的にもセキュリティ的にも安定した回線が日々ビジネスを行う上で外すことのできない場合は、高いコストを払ってでも帯域保証型を選択しておくと安心です。

3-2. 帯域保証型ネットワークが合っていないケース

帯域保証型ネットワークは、ベストエフォート型と比較するとどうしてもコストが高くなってしまいます。業務上どうしてもネットワーク品質を担保しなくてはいけない理由が無い、あるいはネットワーク回線に予算を割けない場合は、避けるべきでしょう。

通信事業者であるColtは、「法人向けインターネット接続サービス」を提供しています。Webサーバーによるコンテンツ提供、クラウドサービスの活用、VoIP、オンラインバックアップなどインターネットに関するお客様の多様なビジネスニーズに対応するために帯域保証型の”切れない”インターネット回線を提供します。

4. まとめ

今回は「ベストエフォート型」と「帯域保証型」のネットワークの違いをテーマに、知っていただきたい知識を紹介しました。両者の違いを改めてまとめると以下の通りです。

「ベストエフォート型」と「帯域保証型」ネットワーク 比較表

ベストエフォート型ネットワーク 帯域保証型ネットワーク
通信速度 最大値に達する可能性は低い 最大値を維持
パフォーマンス 環境により変化するため不安定 常に安定
コスト 安価 高価

回線品質が安定しているからという理由で帯域保証型ネットワークを選択した場合、余剰コストが発生する可能性があります。逆に、コストがリーズナブルだからとベストエフォート型ネットワークを選択したことで、重要な時に通信断が起こり、多額の損害を被ることも考えられます。
「ベストエフォート型」と「帯域保証型」ネットワークは、一長一短です。「どちらかにしておけば絶対に大丈夫」というわけではなく、用途に合わせた使い分けが重要です。

また、最近はオンデマンド型(時間課金型)と呼ばれるような帯域可変型のネットワークサービスも需要が高まっています。オンデマンド型は、「利用したい時に利用したい分だけ」ネットワーク帯域を増減速することが可能なサービスで、クラウドサービスのような高い柔軟性が特長です。各タイプのメリットとデメリットを踏まえて、自社環境に最適なネットワークを検討すれば、良い選択ができるでしょう。今回の記事が皆さんの決断の参考になれば幸いです。

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