— 歩先行くDXのために CI O(最高情報責任者)に 求められるマインドセットとは?
1. エグゼクティブサマリー
この数年間、デジタル・トランスフォーメーションの加速に伴うIT予算の増大を背景として、CIO(最高情報責任者)の役割が脚光を浴びてきました。では、今後注目を集めるものは何なのか、そして、競争力を維持し続けるためには何が必要なのでしょうか?
Coltは、テクノロジーの導入スピード、デジタル・トランスフォーメーションにおけるCIOの役割、顧客志向、エコシステムへの適応力、およびより良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)という5つの優先分野でCIOおよびITリーダーがどのような展望を抱いているのか把握するためにアンケート調査を行いました。
本調査では、各優先分野においてCIOおよびITリーダーが自身をどう認識しているのか、競合との比較方法、自身の機動性をど のように判断しているのかといった点について探っています。また、これらの優先分野での業務の流れや優先事項についてもお聞きしました。
現代のCIOを理解する上で特に重要な特徴は次の3点です。
CIOは機動的で野心的、なおかつ競合の一歩先を行く
CIOの大多数が自分は競合よりも機動的であり、特に関わりの深い分野ではその差が際立っていると回答しました。このように回答したCIOは、上位の意思決定者の中でも「楽観的」なグループに分類されます。
ほとんどのCIOは自身の機動性について楽観的でありながら、目の前に多くの難題が立ちはだかることを理解しています。その上で、サービス提供から企業全体を巻き込む大掛かりなものまで、多くのことに関わり、自身が機動的に活動できる範囲を広げています。この広範な「機動性」は、顧客志向、サステナビリティ、従業員の士気、およびテクノロジーといった要素に関わって発揮されます。
また、CIOは野心家でもあります。より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)と顧客志向の考え方が現状と2年以内に実現したい理想とのギャップが優先分野の中でも最も多くを占めていますが、CIOはパートナーシップを慎重に選び抜くことでこのギャップを解消できると確信しています。
最後に、CIOは自分が競合の一歩先を進んでいると考えていま す。パートナーシップを高く評価しているCIOはより高い機動性を発揮している点から、エコシステムの重要性がうかがえます。
競争で優位に立ちながら望む姿を実現するために、CIOは自身の地位を高めて目標を達成する手助けをしてくれるパートナーを必要としています。CIOが競争に勝つためには、役割を全うするだけのパートナーでは不十分であり、期待以上の結果を残せるパートナーが求められています。
2. 本調査について
Coltは、88%ものCIOが所属する企業の戦 略的な経営判断に関与している、という結果を踏まえ、米国、英国、欧州、およびアジ アで活躍するCIOに聞き取り調査を行いました。Intuit Research、Kantar Researchとの共同でオンライン調査を行い、従業員が5,000人を超える企業のCIO 250人から回答を集めることができました。
コロナ禍の発生以来、IT支出は著しく増加しており、2022年もCIOにとっては忙しい年になりそうです。調査対象となったCIO の74%がIT支出の増加はこれからの一年も引き続き増加すると 考えています。より具体的には、回答者の43%がIT支出の増加 が10%を超えると予想し、来年のIT支出が減少すると見ている 回答者はごく少数(11%)に留まりました。この増加予想からは、CIOとIT部門が自分たちの取り組みに自信を持っていることや、企業全体として顧客および従業員を支援するテクノロジーに多くの予算を当てていることが分かります。
また、英国および米国のCIOを対象に、より詳細な聞き取り調査を2件実施しました。調査のうち1件は米国の大手小売企業で、もう1件は英国に本社を構えるグローバル専門サービス企業で す。これらの面接調査によって、同業者250人を対象としたアン
ケート調査を基に得られた知見を深め、さらに詳細な情報を得ることができました。
88% 企業の戦略的な経営判断にある程度もしくは深く関与しているCIOの割合
さらに、本調査の一環として「機動性チェッカー」を作成しました。本チェッカーでは、5つの簡単な質問に答えることでご自身の機動性を計測できます。自分の機動性スコアを知ることでグローバルCIOとのギャップを分析し、機動性を維持する助けとなる適切なパートナーを探す参考とすることができます。
3. 機動性指標
テクノロジーやデジタル・トランスフォー メーションを管理するには、機動性が重要に なります。そのため、現代のCIOが備える 機動性の指標について、5つのCIO優先分野 に基づき計測しました。 現代のCIOに関わる5つの優先分野
- テクノロジーの導入スピード – この分野では、CIOが新し いテクノロジーを取り入れることの重要性と、イノベーショ ンを起こすスピードに焦点を当てています。
- デジタル・トランスフォーメーションにおけるCIOの役割 –この分野では、リーダー職を与えられたCIOがその役割をどのように感じているか、戦略的な取り組みを推進するCEOとの距離感、およびデジタル・トランスォーメーションの進 捗状況について調べています。
- 顧客志向 – この分野では、優れたデジタルカスタマーエクスペリエンスの実現をCIOがどのくらい重視しているか、およびそのようなカスタマーエクスペリエンスを顧客に提供する際の柔軟性に焦点を当てています。
- エコシステムへの適応力 – この分野では、ITに関わる取り組み全体で成功を収めるためにパートナーシップやエコシステムが果たす役割、およびCIOがどれくらいパートナーの意見を柔軟に聞き入れられるかについて調べています。
- より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good) –この分野では、デジタル・トランスフォーメーションの先にあるテクノロジーの課題、およびこの課題を追求する上でCIOが自身をどう評価するのかといった点を調べています。機動性指標は、上記5つの分野に関する質問の平均スコアとして計算された、0~100点の数値で表します。スコア50点の場合、企業は自社が競合と同等であると評価したことを示し、51点以上であれば競合勝っている、49点以下であれば劣っていると評価したことを示しています。機動性指標の平均スコアは61点でした。
機動性指標
この結果は、CIOが自身を競合より業務に精通していて機動的だと評価していることを示しており、楽観的な姿勢を反映したものであると言えるでしょう。中には競合に後れを取っていると自己評価するCIOもいましたが、大半は自分が優位に立っていると評価しました。
この楽観的な姿勢は、クラウド成熟度や企業の規模が比較的小さいことによって生じている部分もあるようです。クラウド導入率が高く比較的規模の小さな企業のCIOは、自身を競合より機動的だと評価しています。
「クラウドは、今の時代において企業規模とは関係なく基礎をなすテクノロジーとなっています。Coltが実施した調査によって明らかとなったこととして、クラウド導入率が50%を超える企業のCIOは機動性スコア67点を記録しましたが、これは平均スコアよりも6点高くなっています。クラウドによる支援を得たことで、システム構築、イノベーションの実現、および規模拡大にかかる時間がかつてなく短縮され、CIOはこれまで以上の機動性を発揮してクラウド活用に向けた取り組みを行えるようになっています。」 |
4. 理想とのギャップ
CIOは変化に日常的に直面します。過去数年の間、CIOはディスラプションや顧客の増え 続ける新しい期待に効果的に対応する必要がありました。
それでは、今後はどのような変化が予測されるでしょうか。企業が現在備える能力と2年後の能力との間に存在するギャップについて、CIOはどう捉えているのでしょうか。この理想とのギャップを通じて、現在の状況と成功を収めるためにCIOが取るべき行動の評価を試みました。
CIOは「顧客志向」と「より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)」の2つの分野に重点を置くべきであると判明しました。
4.1. 顧客志向
将来まで一貫した顧客志向の重要性
カスタマーエクスペリエンス(CX)計画(16%)の統括を任されているCIOの数は、CEOやCMOなど他の上級管理職(61%) と比較するとはるかに少ないのが現状です。しかし、CIOの過半数(91%)が、顧客志向は組織の中で重要もしくは非常に重要な取り組みであると考えています。
全体としては、CIOは顧客志向を自身の最重要分野として評価しています。また、顧客志向の理想とのギャップは各分野で2番目に大きく、多くのCIOが顧客志向の企業運営を支援するものの実装に着手していると回答しています。
CXプログラムの責任者を兼ねるCIOは少数ではありますが、恐らく他のステークホルダー以上に、テクノロジーに関係して顧客が直面する難題に注意を払っていると考えられます。CIOの存在を高めてCXを推進するには、テクノロジーに関する取り組みのレポート作成においてカスタマーエクスペリエンスKPIを重要視
今回調査対象となった企業のすべてがこの分野について競合に勝っていると自社を評価したわけではなく、多くの企業はイノベーションと使い勝手のバランスを取ることなどの課題に直面しています。このような課題の解決には、顧客が企業ブランドとのやり取りにどのようなチャネルを利用しているか、およびそのようなやり取りをITで最も効果的に支援する方法などを理解する必要があるかもしれません。CIOがそのような知見に基づいて行動することは、既存プロセスの単純な再検討、ネットワークアーキテクチャの改善、あるいはよりカスタマーフレンドリーなタッチポイントの構築などを意味します。今回調査対象となったCIOの1人は、顧客志向について次のように語りました。
顧客志向
「カスタマーエクスペリエンスは当社のビジネスにとっても非常に重要なため、我々はこれまでバックオフィスシステムの拡張に注力してきました。システム拡張によって将来的により顧客志向なソリューションが実現できると考えています。フロントエンドのソリューションを構築するには、まだ長い道のりとなりそうです。」
英国グローバル専門サービス企業のCIO
近年、デジタルチャネルが普及したおかげで、顧客にPRすることが以前より容易になりました。CIOは、顧客志向の促進を支援するITを大幅に強化したいと考えています。目標を達成するためにスコア上位者が何を行っているか調べたところ、次のことが分かりました。
顧客との接触に利用するチャネルとしてソーシャルメディアの需要が最も高い
パンデミックの到来によって顧客の期待するものは劇的に変化 し、迅速な更新、非接触型の決済手段、生活必需品からそうでないものまでどこにいても配達を依頼できることなどが求められるようになりました。さまざまなブランドが店頭販売からデジタルマーケットプレイスに活動の場を急速に移し、オンライン販売、より短期間でのサービス提供、リモート決済手段、および対応の早いカスタマーサービスなどをすべて実現するために、自社のモデルを刷新しました。
デジタルユーザーエクスペリエンスはもはや「あれば良い」ものではなく、あらゆるブランドが必要とするものへと急速に姿を変えました。
こうした変化は、顧客がいる場所に近づこうという意識から起こったものですが、顧客との距離感を縮める手段としてソーシャルメディアより優れた方法はないでしょう。ソーシャルメディアは低コストかつ利用しやすく、ブランドが顧客の動向を掴む際に役立ちます。そして、多くのCIOがソーシャルメディアを最大限に活用しています。
デジタルチャネルで上位の人気を誇るものとしては、他に有名ブランドのモバイルアプリ、専門のeコマースストアやプラットフォーム、カスタマーコミュニティなどが挙げられます。このよ うな点から、競争力を維持し続けるためには、デジタル世界で顧客の活動が最も活発な場所や組織の顧客志向を促進するために その場所をどう活用できるかといったことを検討すると良いで しょう。
CXリーダーはパフォーマンスの評価に満足度指標やコミュニティを活用している
全チャネルを通じて、顧客志向のリーダー企業はCXをモニタリングしている傾向が高いことが判明しました。例えば、これらのリーダー企業は定期的に自社のカスタマーエクスペリエンス指標
(CX指標)またはネットプロモータースコア(NPS)を計測する
CX指標やNPSなどの指標を活用することで、CIOはデジタルカスタマーエクスペリエンスが実際にどれくらいの有効性を発揮しているかを把握できます。同様に、カスタマーコミュニティはプロダクトやサービスの開発または改良の際に役立ちます。組織は一部の顧客を対象としてプロダクト/サービスを迅速にロールアウトし、対象を絞った形でフィードバックを得ることができます。
顧客に提供するプロダクト、サービス、およびエクスペリエンスに関するフィードバックに自社コミュニティとスコア結果を活用するにはどうすれば良いでしょうか?そして、この情報がすぐに利用できる形で社内に存在する場合、社内のITチームはこれらの回答をどのように展開し、行動するでしょうか?
「顧客をビジネスの中心に据えることで、組織の動きは変わっていきます。CIOはこのことを十分理解しているため、彼らの重要事項リストの中では顧客志向が高い位置を占めています。機動性とはつまり、顧客が求めるものに聞き耳を立てて、その求めるものをより洗練されて快適に感じられる方法で提供するためにITや新しいテクノロジーを利用することだと言えます。」 |
4.2. より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)
CIOは、将来的に「より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)」が極めて重要になると予想
CIOが注目すべき他の分野としては、より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)が挙げられます。この分野において、テクノロジーはデジタル・トランスフォーメーションを超える影響力を持つものと捉えられています。本アンケート調査では、この分野を従業員への配慮、顧客データの保護、持続可能なリソースの利用、社会への還元、およびガバナンスの強化に細分化しています。
現状、より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)は理想とのギャップが他分野と比較すると最大となっています。顧客志向やテクノロジーの健全性維持といった極めて重要な別分野 の対応でCIOの手がふさがっているため、今のところこの分野は重要性の面で後回しにされてしまっています。とはいえ、大半のCIOは「より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)」こそが将来的に実現したいものであると強く主張しています。
踏み込んだ内容に及んだある会話の中で、調査対象となったCIO がこの主張を特に取り上げて、次のように語りました。
「環境、社会、およびコーポレートガバナンス
(ESG)はこれまでとは比べものにならないほど重要性を増しています。このことは、昨年はあまり話題になりませんでしたが、ここ半年間でトップダウンの観点から非常に重要な話題になっています。」
米国小売グループのCIO
CIOは「より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)」をサステナビリティ以上に重要視
サステナビリティは企業の最優先分野の1つであり、あらゆる部門が何らかの役割を担っている中でもIT部門には特に厳しい目が向けられています。国際エネルギー機関は、世界全体でのCO2排出量の0.3%がデータセンターにより生み出されていることに言及しており、この数字は世界のサーバー需要の高まりに合わせて上昇する可能性があります。全般的に見れば、IT産業はCO2排 出量に関して航空産業の2倍の責任を負っていると言えます。
CIOの54%が、サステナビリティ目標をすでに設定しており、 組織の活動に反映されていると回答しています。見方を変える と、面接調査対象となった企業は世界でも有数の大企業であるため、その多くがエビデンスに基づくサステナビリティ目標を設定していることは当然と言えるでしょう。
より良い社会の
ためのテクノロジー
(Tech for Good)
デジタル・トランスフォーメーションを活かしてエネルギー効率に優れた企業となる方法は1つではありません。IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ML(機械学習)、5G、およびデータ解析といったテクノロジーによって従来のビジネスが再構築されるため、CIOはこれらのテクノロジーを把握しておくよう努めています。しかし、新しいテクノロジーを駆使したビジネスケースを評価する際、機動性を高めるソリューションが環境に配慮していることを確認するためには、サステナビリティ指標をどのように組み込むべきでしょうか?
多くのCIOがサステナビリティ以上により良い社会のためのテ クノロジー(Tech for Good)に注目していることは将来の展望を明るくしてくれるものであり、非常に印象的です。以下のデー タに示すように、より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)は、従業員、顧客、環境、パートナー、およびグローバルコミュニティなどのステークホルダーのことも考慮しています。
これは実社会において、デジタル業務環境の向上、従業員が得られる機会の拡大、顧客データ保護の強化、リソース使用の効率 化、およびガバナンスの強化といった形で現れます。
より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)をどのように捉えていますか?サステナビリティ以外、例えばダイバーシティ、インクルージョン、ステークホルダーの満足度といった分野でテクノロジーが好ましい結果をもたらしているとしたら、その分野での取り組みは、今後数年間でどのように発展すると思いますか? |
ベンダーがサステナビリティに関してどのような取り組みを実施しているかについて、すでに82%ものCIOが非常に厳格な態度 を取っています。また、このようなCIOは、それらの取り組み状況はビジネスパートナーを選定する際の選定基準として最重要でないにしても、重要基準の1つであると捉えています。
より良い社会の
ためのテクノロジー
(Tech for Good)
グローバルなベンダー選定基準として最重要であり続けている透明性、専門知識、経験、信用といった要素と比べると、サステナビリティはまだ重要性の低いものとされています。
この点について興味深いことに、サステナビリティ分野の重要性は、一部の市場においては他の市場よりも高く評価されることが分かっており、特にドイツにおいてこの傾向は顕著でした。
「他の企業とパートナーシップを築く際にその企業がサステナビリティに関して実施する取り組みを評価することは、大きな検討事項の1つです。サプライヤーには同社が行っているサステナビリティに関する取り組みの詳細を説明していただきますが、それが交渉の中でも大きな部分を占めることになります。」
米国小売グループのCIO
サステナビリティについて広範かつ戦略的な視点を持つ
サステナビリティについて、CIOは一般的な予想とは違った戦略的な視点を持っています。多くのリーダーは、サステナビリティを競合に対する優位性や顧客への印象付けのための手段と捉えているようです。しかし、大多数のCIOは従業員の視点からサステナビリティのプログラムに熱心に取り組んでいます。このような態度は、競争や規制圧力に対応する義務感からではなく、保全性の強化や新たな人材募集を支援することにつながると考えていることから現れています。また、サステナビリティは株主にとっても長期的な価値を高めてくれるものです。
このようなマインドセットは、従業員の保護に焦点を合わせた、国際連合の提唱する持続可能な開発目標の1つにも通じるものがあります。数えきれないほどの専門家が、国や企業がこれらの目標を達成する際にデジタルが重要な役割を果たすことを強調しています。
5. ギャップを解消する
過去数年にわたり、CIOは、レジリエンシー、コラボレーションの重要性、およびパートナーとの連携に関して多くのことを学んできました。
CIOは企業のビジネス視点や戦略的判断に大きな影響を与えま す。また、CIOは、特に自身の役割がプロダクトやサービスの開発を超える範囲に及んだときに、達成に時間がかかる目標を多く抱えることになります。CIOは、機動性を粘り強く高め続け、サステナビリティの計画を発展させ、ステークホルダーの価値を向上することが自らの課題であると理解しています。
これは高い目標であり、業界において強固なパートナーシップを構築することは、CIOが理想とのギャップを解消するために必要とする促進剤となるかもしれません。
パートナーの支援でCIOは常に最新情報を得られる
90% 最新のテクノロジーや サービスの情報収集において、パートナーとサプライヤーが重要な情報源となるという意見に同意したCIOの割合
CIOがテクノロジーの最新情報を把握し続けるには、パートナーシップの構築が欠かせません。CIOは、パートナーシップを通じて市場を動かす最新もしくは流行のプロダクトおよびサービスを発見し、その発見を活かすことで競争における優位性を維持できるようになります。
パートナーはどのくらいの価値を提供していますか?また、その価値はパートナーが提出した作業明細書の内容を上回っていますか、それとも下回っていますか?パートナーシップは、単に成果物が要件を満足するだけではなく、あらゆる段階に価値を付与 し、エンドカスタマーの目標を理解できるものであるべきです。組織のデジタル化について、パートナーはどのような支援や指導を提供していますか?
ギャップを解消する
ギャップを解消する
ネットワークプロバイダーはCIOに大きく影響するビジネスパートナー
CIOは、機動的なネットワーク構築を支援してくれる企業との提携を強く望んでいます。提携相手としては、付加価値再販業者
(VAR)、システムインテグレーター(SI)、およびネットワークプロバイダーが最初に挙げられます。SIとVARが本質的にコンサルタントとしての役割を果たす一方で、適切なネットワークなしにトランスフォーメーションプロジェクトやTech for Goodプロジェクトが立ち行かない以上、ネットワークプロバイダーの価値は非常に重要となるため、初期段階からパートナーシップを構築することが欠かせません。
今後のデジタル・トランスフォーメーションを前進させると期待できる新たなテクノロジーとしてCIOはネットワーク機能仮想化(NFV)、オンデマンドネットワーク、SD WAN、5Gなどの ネットワーク関連テクノロジーと回答し、これらのテクノロジーは、導入が検討されているテクノロジーの上位に含まれています。
「以前は計画を立てるのに3か月、実施にはさらに3か月がかかっていましたが、今では数週間で販売開始できるようになっています。」
米国小売グループのCIO
CIOが関心を寄せている上記以外の人気のネットワークテクノロジーとしては、エッジネットワークやセキュアアクセスサービスエッジ(SASE)が挙げられます。このことは、機動的かつ高速な次世代通信はサービスおよびプロダクトの提供にかかる期間、サステナビリティ、および顧客志向の将来的な改善につながるという、CIOの間で広く受け入れられている考え方を反映しているように感じられます。
ギャップを解消する
ギャップを解消する
トランスフォーメーションを実現して前進し続けるには、帯域制
CIOの5人に1人は、ネットワーク品質やまたは帯域幅の柔軟性 の欠如、もしくはその両方がデジタル・トランスフォーメーションにおける大きな障害と捉えています。これは、将来的にパートナーシップを構築したい相手としてネットワークプロバイダーを高く評価している理由の1つだと言えるでしょう。
CIOは、次世代ネットワークソリューションがどのように展開していくのか知りたがっています。また、市場には支援体制を整えた新たな企業であふれていますが、このことは、より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)や顧客志向についてCIO が目指す目標達成にどう結び付くのでしょうか?グリーンベンダーや廃棄物ゼロ生産など、CIOが自信を持って乗り越えられると主張する根拠は何があるでしょうか?
20% ネットワーク/帯域の制限を障害と捉えている割合。 ネットワークプロバイダーとの協力関係を強化する主な理由となっている。
「当社にとって、パートナーシップは単にお客様に提供する価値を付加するだけでなく、エンドカスタマーが享受する価値を付加するものです。パートナーシップの目標を達成するだけでなく、より大きな構想を理解する必要もあります。適切なパートナーと協力することは、サステナビリティ、顧客志向、機動的なネットワークなどの様々な計画をコスト効率よく進める鍵となるでしょう。」 |
6. まとめと 今後取るべき行動
企業が危機的状況や変化に上手く対処するには、機動性が非常に重要になります。企業の機動性はこれまでのソフトウェア導入率という意味合いから脱却し、今では組織がどのように従業員への配慮を示し、どのようにパートナーを評価し、どのように顧客にサービスを提供するかなどにも適用されるようになっています。
企業が顧客をビジネスの中心に据えるようになり、顧客志向はCIOにとって重要な分野となりました。
CIOは、組織のCXプログラムを成功させる方法や顧客志向のリーダー企業から学ぶ方法を探しています。Coltの調査では、リーダー企業は顧客とのやり取りにおいてソーシャルメディア、動画、インスタントメッセージを熱心に活用していることが明らかになりました。また、リーダー企業はCX指標やNPSなどのカスタマーエクスペリエンス指標やカスタマーコミュニティも利用しています。
より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)は理想とのギャップが最も大きく、今後最も改善すべきとCIOが考える分野です。CIOにとって重要なのは、より良い社会のためのテクノロジー(Tech for Good)が環境を超えて、従業員、パートナー、株主など、エコシステム内のすべてのプレイヤーを巻き込むことです。CIOはテクノロジーが組織内で好ましい成果を促進する場所を調べ、これらの計画を今後数年間で発展させることを検討する必要があります。
パートナーシップは機動性を実現する重要要素の1つです。Colt の調査では、CIOがテック企業とのパートナーシップを重要視しているほど機動性スコアが大幅に高くなることが明らかにな
りました。この事実はあまり知られていませんが、新しいテクノロジーを導入することで機動性の大幅な向上が実現したと多くのCIOが語っていることからも、強く裏付けられています。
7. 本アンケート調査について
Coltは、米国、英国、ドイツ、フランス、および日本において5,000人以上の従業員を抱える企業のIT最高意思決定者を対象とするアンケート調査をIntuit Researchに依頼しました。
Intuit Researchはグローバルなオンラインアクセスパネルを通じて回答者を募り、適格性と真実性の観点から回答者を選別しました。標本値となる規模は各市場あたり回答者50人とし、合計で250人を対象としました。面接調査は2021年10月8日~22日 にかけて実施されました。また、Intuit Researchは、2人のグローバル企業CIOとの踏み込んだ内容を含む1時間の会話を通じて獲得した定性的な見解も、調査に含めています。
機動性指標は、CIOが所属先組織のパフォーマンスを業界の競合と比較してどのように評価しているかという点に基づく単一の指標です。この指標は、CIOにとって優先順位の高い5つの重要分野に関わる5つの質問を通じて計算された平均スコアとして作成されます。
CIOは競合と自社を比べてどれくらい機動的かを、競合に「勝っている」、「同等」、および「劣っている」という回答範囲で評価しました。各回答は50点を「競合と同等」として、0~100点の範囲で記録されました。
面接調査の対象組織に関する企業統計の概要は、以下の内容を含んでいます。
本レポートやColtサービスに関する詳細は以下よりお問合せください。
- 営業代表:03-4560-7100
- メール:[email protected]
詳細は以下へお問い合わせください。
- WEBフォーム:https://www.colt.net/ja/